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2007.07.22 MH小説『炎の山の狩人たち』vol.27
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押してくだちい
昨日は(今日は)朝2時くらいに寝たんですが、なぜか清々しいw
8時におきることができましたよ^^

今日も小説書きました。
続きからね^^ちょっと思ったより短くなってしまったかな・・・




Chapter4-5『楽観的な死刑囚』


ゼロの持つ、『コーンヘッドハンマ改』と呼ばれる槌が、火竜の頭に何度も叩き込まれる。 

そして、レイの弓から放たれた尖鋭な矢は、火竜の翼膜を引き裂いていく。

ジンは火竜の甲殻を斬り裂きながら、思いついたようにソゥのほうを見た。

「ソゥ!!“あれ”、やるぞ!!」

ジンの言葉に反応したソゥの頬には、火竜の返り血がはねている。

「え?“あれ”!?もしかして“あれ”っすか!!?」

「あぁ!・・・できる!・・・だろ!?一番弟子!!」

「へへっ・・・失敗しても・・・まぁいいや!!わかりました!!」

ソゥの言葉を聞き、ジンが頷いたのが最後だった。

ジンとソゥ、2人は太刀の刀身を同時にガチャリと鳴らす。

それと同時に火竜は立ち上がったが、何故か一瞬、静寂に包まれた。


その静寂も一瞬にすぎなかった。

もう次の瞬間、ジンとソゥの声によって静寂は破られていた。

「うおぉぉおぉああぁあ!!!」

2人は火竜の周りを点対称に回りながら、同じように火竜に斬りつける。

腹、翼、足、そしてまた腹。

容赦のない斬撃の嵐に、火竜は悲鳴をあげ続ける。

全身から血が噴出す痛みに耐えられず、火竜が力ない悲鳴を発しようとした時だった。


ギャ・・・


「おぉお!!!」

火竜の悲鳴は、ジンとソゥの声、否、力の前にあっけなく消された。

ソゥは尻尾を一刀両断宜しく切り落とし、ジンは火竜の喉元深くを斬り裂く。


ブッシュウウウゥウゥゥ・・・


滝の如く、鮮やかな血が草の上に落ちる。

そして、ジンとソゥの真横で、火竜の巨大な骸(むくろ)が音を立てて倒れる。

「ま・・・お・・・まえら・・マジかよ・・・・・・」

ゼロは感動したのか、それとも臆したのか。少し震えていた。

「はァッ・・はァッ・・・ジンさん・・・はァッ・・上手く・・・いきました・・・はァッ・・ねぇッ・・・!!」

ソゥは笑顔を作りながら言う。

真っ白な歯が、べっとりと火竜の血で塗られた顔にいやに目立って見えた。

ジンは太刀にびっしりと付いた血を振り落とし、鞘に収めた。

「はァッ・・・実戦で・・・使ったのは・・はァッ・・初めてだった・・・がな・・・はァッ」

2人とも、ものの十数秒のことだったのに、肩で息をしている。

ゼロには、今繰り広げられた光景のすさまじさが、まだ目に焼きついていた。


「あ!!あれ、誰!?」

レイが突然指を差す。ゼロは我に返った。

ゼロをはじめ3人は、レイの指先にあるものを見る。

「ははっ!俺って本当、運が良いなぁ!ちょうど討伐したところなんてな!」

男はニヤニヤ笑いながら、ジンたちのほうに近づいてくる。

「なんだ、おま・・・」

ゼロが言いかけたとき、ジンが呟くように言った。

「お前、ブレオ・・・ヴァンヴォルフか・・・?」

「ははっ!ばれてたか!なら話は早いよなぁ」

ブレオはちらりと火竜の死骸を見やった。

「ちょっとばかし、アレを剥ぎ取らせてほしいんだよなぁ」

ゼロたちはこの妙に馴れ馴れしい男に不愉快だったが、ジンの目は鋭くこの男を見ていた。

「お前、ナイトに追われているんだろう・・・?早く逃げろ!」

思いもよらないジンの言葉に、レイたちはジンのほうを見た。

「ちょっと・・待ってジン・・・あたしらはコイツを見かけたら・・・」

レイは不安そうに表情を曇らせる。

「大丈夫だってぇ!俺、今日はツイてるからなぁ」

お前らのやり取りなんかどうでもいい、とでも言うような言い草だった。

「ジン・・本当に見逃すの・・・?」

「はは!見逃してくれるのはありがたいなぁ!でも、ちょっと剥ぎ取らせてなぁ!」

ブレオはそう言うと、ジンたちの答も聞かずに剥ぎ取りようナイフを取り出した。

「殺されるかもしれないんだぞ・・・!?見逃してやる・・・早く逃げろ!!」


ギルドナイトが飛竜の巣を出ようとしていた時だった。
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