2007.07.16
MH小説『炎の山の狩人たち』vol.25

押してくだちい
下の記事で今日小説更新しますって言った直後に
小説更新w
自作絵もまた出したいなァ~~~
ほんじゃそういうことなんで^^
続きより~~
小説更新w
自作絵もまた出したいなァ~~~
ほんじゃそういうことなんで^^
続きより~~
Chapter4-3『ギルドナイト』
火竜の突進をかわし、ジンはゼロとレイのほうを見た。
ゼロはハンマーを構え、火竜に向かい走る。レイは矢をつがえる。
ジンも振り向き、火竜のほうを見る。
と、同時に、ジンのほうに火竜のブレスが迫っていた。
しかし、ジンは慣れた様子で、紙一重でそのブレスを避ける。
「うおおおぉおぉおぉらあぁあ!!!」
「はァ・・・はァ・・・」
一人の覆面をした男が、飛竜の巣を横切る。
「へへっ・・・ギルドナイトのクソどもが・・・ここまでくればもう大丈夫だな・・・」
男の名は、ブレオ・ヴァンヴォルフ。“元”ハンターだ。
元、というのも、ハンターでありながら数々の掟を破り、
先日ついにギルドから追放されたのだ。
男はポーチからくしゃくしゃにたたまれた紙を取り出した。
「はァ・・・はァ・・・また良い獲物があるといいがな・・・」
男は竜の巣を後に、姿を消した。
ガードできない太刀やハンマーを使うハンターにとって、
重要となるのは『回避』だった。
武器を扱う技術を十二分に会得しても、回避ができなければいつ命を失うかわからない。
ジンは父親に、回避をうまくできるよう、日々叩き込まれた。
「おおぉ・・・っ!!」
突進、ブレス、噛み付き。ジンはそのすべてを簡単に回避していく。
それもすべてが紙一重で、すべてが次の自分の攻撃へとつながっていく。
ソゥやレイはもちろん、ハンターランクが上のゼロでさえ、
ジンの運動能力にはいつ見ても感服させられた。
ジンたちのすさまじい攻撃に、火竜は幾度となく怯むのだったが、
火竜は突然、何かに気づいた様に動きを止めた。
そして、ジンたちの攻撃を無視し、飛び立ってしまった。
「うわ・・・」風圧で身動きが取れないジンたち。
遠くからレイが矢を放ったが、火竜をかすめただけだった。
「逃げられたなぁ~・・・」ゼロが空を見た。
「でも、いつもとはどこか違ったよな。」ジンが刀の刀身を見ながら呟く。
「え?何が?」レイが不思議そうに訊ねる。ソゥも同じような顔をした。
「何か異変に気づいた感じというか・・・なぁ、ゼロ?」
そうジンが聞いたとき、ゼロは誰かの気配に気づいた。
「誰だ?!あんたら・・・」
ゼロが指差した方向には、2人の男女が立っていた。
パチ、パチ、パチ・・・
男が拍手をする。
「あ、いや、凄いですね。あなた方の素晴らしい技につい見入ってしまいましたよ。」
微笑みながら男が近づく。その後ろから、不機嫌そうな顔つきの女がついてくる。
「誰だ、と聞いてるんだ。ギルドからは何も聞いていないが?」
ゼロが眉間にしわを寄せる。
「あ、すみませんね。私たちはギルドナイトです。実は・・・」
男が続きを言う前に、ゼロが声をあげた。
「まさか、あのハンターがここにいるのか?」
「あ、もう通達されていましたか。そうです。
どうもあの犯罪者がここに潜んでいるっていう報告がありましてね。」
「ブレオ・ヴァンヴォルフか。」ジンはギルドナイトのほうをじっと見た。
「あ、はい。すみませんが、一応ギルドカードの掲示をしていただけますか?」
ジンたち4人は、ポーチからカードを取り出す。
ギルドカード、それはギルドのハンターであることを示す証だ。
ハンターの名前から、年齢、所属ギルド、討伐数、そしてハンターランク。
このカードを見れば、そのハンターがどのような人物であるかだいたい解る。
そして、これを剥奪されることは、ハンターであることを認められないことを表す。
「ギルドナイトが動いた・・・ってことは、そいつは処刑されるのか。」
ゼロは淡々と聞いた。
「あ、はい。処刑ですね。ギルドから認められました。」
このギルドナイトも、何の躊躇もなく、処刑という言葉を口にした。
ギルドナイトの羽根と紋章のついた帽子の下には、冷徹な表情があった。
「あ、では、私どもはそろそろ行きます。もしブレオ・ヴァンヴォルフらしき者を見かけたら―――」
「早急に私どもへお伝え願います。では。」
そう言うと、2人は森のほうへ歩いていった。
“処刑”。
ジンには、その言葉の意味が理解できなかった。
いや、ジンにとっては理解したくはない言葉だった。
Chapter4-4『意味』に続く
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