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2007.06.17 MH小説『炎の山の狩人たち』vol.20
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押してくだちい
うぃうぃうぃうぃうぃ~~~っす!!!
Elfmanズ小説、復活です!!

そういやMHF新モンスター、ヴォルガノス?ですって?
ヴォルケーノ(火山)なガノトトスですか・・・
まんまじゃん!!でも魚竜種は珍しいね^^

さてさて小説もおかげさまで計20話も続いてます
では続きよりお楽しみ管祭^^




Chapter3-4『レイの思い出④・執事アレン』


薄い桃色のドレスに、ドスランポスが飛び掛った。
 
「キャァ―――――――!!」第三王女は、悲鳴を上げながら身をちぢこめた。
 
第三王女は、目の前に飛び込んできたドスランポスに、後ずさりするが、つまずいて尻餅をついた。
 
自分の体をかばう様にかざした腕に、ドスランポスが噛み付く。
 
「きゃぁ・・・っ」
 
悲鳴を上げた第三王女だったが、その意外な結末に驚いた様だった。
 
「え・・・・?痛くない・・・・?痛くない・・・」第三王女は自分の腕をまじまじと見ながら呟いた。
 
しかし思い出したように前を見る。そこには先ほどのドスランポスが、また第三王女に噛み付こうとしていた。
 
「きゃあ・・・!!」またも悲鳴を上げようとした、その時だった。

 
真横から執事アレンが、ドスランポスに飛び掛り、その体をなぎ倒した。
 
アレンとランポスはもつれ合い、アレンはドスランポスの体を殴りつけている。
 
優勢に見えたアレンの頬に、ドスランポスの爪が切創を作った。
 
「ぐぁ・・・」アレンが一瞬怯んだとき、ドスランポスはその首に噛み付こうとした。

 
ドンッ!
 
1発の弾丸が、エルザのボウガンから撃ち出される。
 
それは、正確に、ドスランポスの頭に命中した。
 
頭を貫くまでには至らなかったものの、ドスランポスは怯んだ。アレンはその瞬間を見逃さなかった。
 

ブシュゥッ!!
 

アレンは右手に持っていた剣を振るい、それが逆にランポスの喉を切り裂いた。
 
引っかき傷ができ、血がにじんだアレンの頬に、さらに赤い血が降りかかる。ドスランポスは力つき、倒れた。
 
「王女!お怪我はありませんか?」
 
素早く駆け寄ったアレンは、自分の顔の血も拭かずに、王女の腕をとった。
 
「ア・・・アレン・・・そなた・・・そなたこそ大丈夫なのか・・・?」
 
目の前で繰り広げられた、命のやり取り。
 
間違えば、自分のもっとも身近な存在であるアレンが死んでしまったかもしれない・・・
 
そう思うと、第三王女の目には、涙がこぼれてきた。
 
「アレン・・・良かった・・・生きていた・・・!!」
 
自分の手を握るアレンの腕を、第三王女は握り返した。
 
そんな第三王女に、執事アレンはにこりと笑って答えた。
 
「はい。私はあなたの執事です。生きて、どこまでもあなたについて行きます。」
 


「あ・・・こんな遠くから・・・ちゃんと当たるかな・・・」
 
弓を引き絞るレイを横目に、カミオは不安そうに呟いた。
 
「見ててよ・・・!この前村長に教わった・・・」
 
続きを言わず、レイは矢を放った。
 
低い放物線を描きながら、矢は真っ直ぐに桜色のリオレイアへと飛んで行く。
 
「あ・・・っ」思わずカミオとドロシーは声を上げた。
 
レイの放った矢は、桜火竜の美しい翼膜を貫いた。
 
「こんなに離れてるのに・・・すごいです・・・」カミオはいつも通り感心した。
 
カミオはレイの顔を見ながら言ったが、レイとドロシーは桜火竜から目を放さなかった。
 
2人の顔に、焦りから汗が吹き出てくる。
 
「ん・・・?やっばぃ!!気づかれた!!」レイは急いで弓をしまい、背に担いだ。
 
20メートルほど離れている所から、桜火竜は3人に向かって走り出した。
 
真っ先に振り向き、逃げ出したレイとドロシーに、カミオも引っ張られる。
 

・・・・ギャアアォオアォォァオオォ・・・

 
桜火竜の声だんだんと近づいてくるのが、3人には分かった。


 
ランポスたちを一掃したエルザたちは、アレンの傷を癒すために、少し休むことにした。
 
洞窟には、すんだ地下水が湧き出ており、血を洗い、傷を消毒するには最適だった。
 
「しかしなぜ、わらわはドスランポスに噛みつかれたのに、かすり傷ひとつですんだのかの・・・?」
 
第三王女の腕には、後も残らないような小さな傷しかなかった。
 
「王女のお召しになられているドレスは、特別に作らせたものです。」
 
湧き水をしみこませた布で頬の血をふき取りながら、アレンが答えた。
 
「特殊な軽く強い繊維が織り込まれています。そのためあの程度なら容易に耐えられます。」
 
「そうか・・・アレンのは?そなたのはどうなっておる?」第三王女はアレンのスーツを指差した。
 
「私のこの服も、同様の使用が施されております。」
 
「そうか。ならば安心じゃの。」

 
「ふぅ・・・」第三王女と執事アレンが落ち着いた頃合いを見て、エルザが言った。
 
「そろそろ、レイたちと合流しようと思う。むこうはすでに飛竜と戦っているかもしれない。」
 
「そうかの。では、そろそろわらわたちも行くとするかの。」
 
立ち上がった3人は、洞窟の出口へと向かった。

 
洞窟を出ようとしたとき、外からこっちに向かう足音が聞こえてきた。



Chapter3-5『レイの思い出⑤・FAIRY's dance』に続く
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