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2007.05.26 MH小説『炎の山の狩人たち』vol.19
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押してくだちい
大変長らくお待たせいたしました。Elfamaです・・・
小説ができました。更新します。

今日よりテスト週間に入りました・・・
6月半ばまで更新を停止します。。

ホントテスト嫌だな・・・
1年の頃とはレベル違うね・・・微積とか・・・クソッ・・・

小説本編は続きからです。




Chapter3-3『レイの思い出③・赤い鶏冠と桜の飛竜』


ギャオオゥ!!ギャオオウゥ!!!
 

「っ・・・!」エルザ、第三王女フィリアス、執事アレンの3人は、ほぼ同時に後ろを振り向いた。
 
「なんじゃ・・・あの青い竜は・・・!!わらわが見るのは桜色のワイバーンの狩猟だと聞いておるが・・・?」
 
エルザも驚いた様子で、すぐに返答した。
「あれはランポスという小型のモンスターのボス、ドスランポスだ・・・」
 
「ならばすぐに討伐せよ!そなたなら容易であろう?」
 
「仲間を呼ばれるかもしれない・・・そうですね?」今度は執事アレンが言った。
 
「あぁ。ドスランポスは鳴き声でランポスを呼び寄せ、集団で狩りを行うことが多い。」
 
「王女を危険に晒すわけにはいきません!!」アレンはエルザの顔を見て言った。
 
「あぁ。仲間を呼ばれる前に討伐する。」そう言うと、エルザはドスランポスのほうに走っていった。
 


洞窟を抜けたところに、背の低い木から高い樹まで生い茂った密林が広がっていた。
 
レイ、ドロシー、カミオの3人は、警戒する様子もなく歩いていた。
 
「エルザさん・・・・大丈夫ですかね・・・・」カミオが後ろの洞窟のほうを振り返って言った。
 
「エルザなら大丈夫だって~~~」レイがカミオの腕を引っ張りながら言う。カミオは体制を崩しそうになり慌てた。
 
「んでも、桜色のリオレイアって何処にいるんだろうね」ドロシーが空を見て呟いた、その時だった。
 

ギャアアアオオォオォォオオォオオオ!!!!!!

 
空に桜の花びらのような、本当に桜色をしたワイバーンが飛んでくるのが見えた。
 
「あらら!!あれじゃない?!」ドロシーが指を差した先の物体は、3人から20メートルほど先に降りてきた。
 
「・・・・・あれ・・・・・ですよね・・・」カミオの視線ががドロシーとレイの顔をきょろきょろと往復する。
 
「本当に桜色だね~~久々に見たけど、綺麗だね~~~」しかしその顔は笑ってはいない。
 
その美しさに見とれている訳でもなかった。
 
レイは平然と、背に担がれた弓を手に取り、そして音も立てずに1本の矢をつがえ、引きしぼった。
 
その姿を横で見ていたドロシーとカミオは、レイの目を見た。レイの目は真っ直ぐと桜火竜の方を見据えている。
 
レイは、その手から矢を放した。真っ直ぐな軌道を描いた1本の矢は、桜火竜の翼膜をいとも簡単に貫いた。
 


エルザは、第三王女とその執事アレンを後ろにかばう様にし、ヘビィボウガンを構えた。
 
素早く、ヘビィボウガンの側面から、弾丸を装填する。かしゃりという音が、装填完了の合図だった。
 
3人のほうに走り寄ってくるドスランポスに、エルザは銃口を向けた。
 
スコープを通すことなく、エルザは1発の弾丸を撃ち放った、ように見えた。
 
エルザは“速射”、そう呼ばれる、極端に短い時間で5発の弾丸を撃ち出す技法を使用したのだ。
 

ドンドンドンドンドン・・・ッ
 

湿った空気に乾いた音が響き渡った。
 
5発の弾丸は、最初の1発が鱗を破壊したドスランポスの胸を正確に貫いた。
 
怯むドスランポスに目もくれず、さらに5発の弾丸が速射で撃ち出された。
 
また、ドスランポスが怯む。エルザの容赦のない冷徹な攻撃に、第三王女とアレンは息を呑んだ。
 
ドスランポスは怯み続け、3人の方へ近寄ることもできない。
 
素早いリロード、速射で確実な攻撃を繰り返すエルザ。その目は氷のようにドスランポスだけを映した。
 
突然、ドスランポスは上を見て叫んだ。
 

ギャアアァオゥ!!ギャアアァオ!!!
 

耳を塞ぐほどでもない叫び声だが、不思議と洞窟中、いや洞窟の外にも聞こえるような響きだ。
 
「なんだ・・・?」アレンは、そこらじゅうをきょろきょろと見渡した。
 
「仲間・・・ランポスたちを呼んだようだ・・・」エルザがアレンのほうを見て言う。
 
「万が一のこともある。お前は王女を頼むぞ・・・」
 
少しも経たないうちに、洞窟のいくつもの入り口から、何匹もランポスが入ってくるのが見えた。その数、6匹。
 
エルザは素早く、何やら先ほどとは違う弾丸を装填した。
 
それは密林に到着した頃、エルザが中に小さな木の実のようなものを詰め込んでいたものだった。
 

ドンドンドンドンドンッ!!
 

先ほどと同じようで、力強さの増したような音。硝煙の臭いが鼻につく。
 
四方へはじける弾が、ドスランポスと2匹のランポスに当たった。散弾が雨のように敵に降りかかる。
 

通常弾レベル2の速射・・・そして散弾レベル2の速射。
 
エルザが使うこのヘビィボウガン、『ブラックゴート・インフェルノ』・・・煉獄の黒山羊という意味を持つ。
 
稀に見られる黒いディアブロスのその黒く巨大な角をふんだんに使用したボウガン。
 
装填数は少ないものの、通常弾と散弾のレベル2、貫通弾レベル1の速射が可能な珍しいボウガンだ。
 
ボルカ村ではエルザともう1人のヘビィボウガン使いしか持っていない。
 
複数の種類の弾丸を速射可能にするには、そのボウガンの重量、サイズも大きくなり、素人には持ち上げることも適わない。
 

目にもとまらぬ速さで、いくつもの散弾がはじける。ランポスは次々に命を落としていく。
 
アレンも剣を振るう。動きに無駄は多いものの、この若さで執事というだけあって、王女に認められているのも納得できる、
 
「キャアアァ―――――――!!!」第三王女の悲鳴に、エルザとアレンは彼女のほうを見た。
 
エルザとアレンの間にいたはずの第三王女に、ドスランポスが飛び掛っていた。



Chapter3-4『レイの思い出④・執事アレン』に続く
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