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2007.05.14 MH小説『炎の山の狩人たち』vol.18
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押してくだちい
(´・ω・)ノやぁ~~~~~あ~~~!!!
Elfmanという名のラビリンス・・・
いぁ^^;お気になさらずww

小説、続き書きましたょ!
なんか最近キャラがはっきりしてきて書くのが楽しいです^^

本編は続きからご覧くださいっ♪

近々Elfman所有のPSP壁紙を貼りたいと思います^^




Chapter3-2『レイの思い出②・第三王女』


密林と呼称される地域は、ボルカ村から南東へ、船で川を下って行く。
 
勿論その船の船頭も、アイルー族やメラルー族といった猫たちが任されている。
 
2、3時間、緩やかな川を下り、密林に到着した。
 
その川の河口から、さらに南西へ広がった原生林が、『密林』と呼ばれるフィールドだ。

 
白い砂浜に打ち上げた船から、レイ、エルザ、ドロシー、カミオの4人は、ベースキャンプを見渡した。
 
まだ第三王女は到着していなかったので、4人は船から降り、アイテムボックスまで近寄った。
 
アイテムボックスの中には、4人分の応急役や砥石といったアイテムの他に、
 
さらに4人分、応急薬や高価な『秘薬』などのアイテムが敷き詰められていた。
 
「今日はアイテムボックスもにぎやかだねぇ」レイが独り言のように呟いた。
 
「第三王女・・・なんだかちょっと・・・・緊張しちゃいますね・・・。」カミオが自信なさげに言った。
 
4人は、いつも通り4人分のアイテムを分け、それから10分ほど経ったときだった。
 

ゴロゴロ・・・ゴロゴロ・・・馬車の音が、遠くから聞こえてきた。
 
砂浜を1台の大きな馬車が進んでくる。見たこともない豪華さで、密林の生い茂った中でも目立ちそうだ。
 
その馬車は、ベースキャンプの4人の前で、おもむろに停止した。
 
執事のような若い紳士――――顔も容姿も整っている、30歳前後くらいの男性が、素早く馬車から降りてきた。
 
そしてそのタイトなスーツに身を包んだ紳士は、馬車の側面にある窓を開けた。
 
そこには、レイたちと同じくらいの、華やかなドレスをまとった少女が座っていた。
 
「わらわがウェストメル王国が第三王女、フィリアスじゃ!!ほ~~ほっほ!!ほぉ~~~ほっほっほ!!!」
 
何かの羽毛で豪華にあしらわれた扇子を振り、第三王女は甲高い声で笑った。
 
4人はどこか驚きと共に、不安が大きくなっていくのを感じた。

 
第三王女は馬車からゆっくりと降りると、4人をジロジロと見ながら歩み寄ってきた。
 
その後ろには先ほどの紳士と、二人の傭兵がぴたりとついている。
 
「そなたらが今日わらわに狩りを見せてくれるというハンターか。皆、女ではないか・・・不安ではあるが・・・」
 
第三王女は少し笑みを浮かべながら続けた。
 
「わらわにはこの執事のアレンがおるから大丈夫かのぅ!!ほ~~ほっほ!!」
 
レイは、第三王女の人を見下したような笑い方が一気に嫌いになっていった・・・
 
「さ、アレン!早速わらわに準備を!」
 
「はっ」冷静そうな低い声を発し、アランは素早くアイテムボックスのほうへ駆け寄った。
 
それと同時に、2人の傭兵もアランの後に続く。
 
その時、エルザがアランのほうへ近づいて静かに言った。
 
「たしか、狩猟の見学は第三王女だけだったはずだが・・・?」
 
「何か問題でも?」アランはアイテムを取りながら言った。
 
「条件が違う。お前たちの参加は報告されていない。」
 
「しかし王女1人では危険すぎます。」アランはやっとエルザのほうを振り向いた。
 
「お前はともかく、あの傭兵2人も参加させるのか?」
 
「王女の護衛のためです。何かあったときのために・・・」
 
その言葉を聞くと、エルザは無言のまま振り向き、第三王女のほうへ向かった。
 

「第三王女、あなたはあの執事と2人の傭兵をつれいていくおつもりか?」
 
「そなた、わらわに向かってなんと言う口の利き方をしておる!!」第三王女は生まれつきの傲慢な性格らしい。
 
しかし、エルザは少し声を荒げて返した。
 
「ここは本来あなたのような人間の来るところではないのだ!狩りのことは私たちハンターに従ってもらおう!」
 
「・・・・・・・・・・そなたは何が言いたいのじゃ・・・。」エルザの勢いに臆したのか、第三王女は急にふてくされて縮こまった。
 
「クエストの条件にはあなたをパーティに加えるということになっていたはずだ・・・
 
 あなた以外の者をパーティに加入させることはできない。危険が伴う。」
 
第三王女は思いついたように反論した。
 
「そのために傭兵を連れてきたのじゃ!わらわは自らの身は自らの兵で守る。」
 
「仮に対人の戦闘に優れた傭兵だとしても、飛竜から王女を守れるだろうか。人間と竜は次元が違う。
 
 先ほど言ったように、ここは本職である私たちハンターに従ってもらおう。」
 
先手をつかれたという感じで、第三王女は何も言えなくなってしまった。
 
「しかし、いつも私たちがあなたについている、というのも断言できない。あの執事には同行してもらう。」
 
その言葉を聞いた途端に、第三王女は少し嬉しそうになった。
 
「アレン、そなた、ついて来てくれるな?!」
 
「はっ」ポーチに応急薬を入れていた執事アレンは、振り向いて言った。
 


皆を集めて、エルザが切り出した。
 
「ではクエストの詳細を説明したいと思う。王女、よく聞いていてくれ。」
 
「アレン、私の代わりによく聞いておきなさい。私は出発まで海で遊んでおる。」
 
「言ったはずだ・・・ハンターに従わないことは死につながると・・・」エルザの言葉にはどこか現実味がある。
 
「わ、わかった。手身近に説明するのじゃ!

 
「まず、基本的には後衛である私が王女の護衛を行う。執事もあの傭兵の武器を携帯して、そばについてもらう。」
 
エルザは、竜の骨でできた丈夫な薬きょうに、弾薬代わりとなる木の実を詰め込みながら言った。
 
「解りました。」執事アレンは静かに頷いた。
 
「レイ、お前は何かあれば私の代わりに王女をお守りするのだぞ。」
 
「うんっ・・・!」エルザに言われ、レイは少し緊張気味に答える。
 
「私たちがいる中で皇女の身が危険に晒されることは、ボルカ村のハンターとして許されない。」
 
エルザは全員の顔を見渡しながら言った。
 
「では、今からリオレイア亜種の狩猟に向かう。」皆が同時に頷く。第三王女も緊張が顔に表れている。
 


大きな洞窟、といっても光が差し込み、地下水が湧き出る洞窟に入ったときだった。
 
「もうわらわは疲れた!少し休む!!」予想できたことだった。割と早くに、第三王女の口から不満が漏れた。
 
「アレン!わらわに飲み物を用意いたせ!!」わがままっぷりだけは一人前だ。
 
「フィリアス王女・・・ここもモンスターが現れやすいフィールドですよ。危険ですから・・・」
 
ドロシーが座り込んで水を飲む第三王女を見ながら言った。
 
「うるさい!先に行ってまいれ!わらわはアレンと共に休んで後から行く!!」
 
ドロシーは、はぁ~・・・とため息をついた。
 
レイが執事アレンのほうを見ると、アレンは申し訳なさそうに笑顔を作った。
 
「しかたない・・・レイ、ドロシー、カミオ。先に行っていてくれ。私は王女が休み次第後を追う。」
 
エルザが遠くの出口を見ながら言った。

 
それから10分ほど経っただろうか。地下水のおかげで涼しいこの洞窟には、少しの静寂が続いた。
 
「さて、わらわも休んだことじゃ。そろそろ参ろうかの。」第三王女は満足そうな顔で言った。
 
そのとき、後ろから甲高い鳴き声が聞こえてきた。

 
ギャオオゥ!!ギャオオウゥ!!!
 

青い鱗の体に赤い大きな鶏冠をつけたモンスターが、3人の後ろの岩陰に立っていた。



Chapter3-3『レイの思い出③・赤い鶏冠と桜の飛竜』
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