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2007.04.27 MH小説『炎の山の狩人たち』vol.13
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押してくだちい
最近~~~
学校の授業が異常な難しさと眠さでヤバイです^^;
つーか席一番前の真ん中になって寝れないしwww

小説、ネタ考える暇がありません;;;
どんな話にしようかってのは決まってるけど、
文章を考える暇がないんです。
改クエもネタ決まったのに作る時間ないし・・・

とりあえず
小説続き書きました、書けました。

本編は続きよりどうぞ^^




Chapter2-5『左腕』


天井には、鱗の無い滑らかな体に少し傷をつけた赤いフルフルが音も無く張り付いていた。
 
そして洞窟の端には、沢山の人骨、ハンターたちの死体が転がっている。
 
今まで幾度と無くクエストを達成してきたジンでも、このような光景を見るのは初めてだったかもしれない。
 
ジンは天井、死体が転がっている地面と、きょろきょろと目を何往復もさせた。
 
冷や汗を額に浮かべているようだったが、どこか楽しそうな雰囲気もある。
 
ジンもハンターとして、竜を狩ることに多少の悦楽を感じている面も持っているらしい。

 
ジンは、ソゥのほうを見た。怯えているような面持ちで、静かに血糊の付いた片手剣を、左手から右手に持ち替えた。
 
一般的には左手に剣、右手に盾と決まっているが、ソゥはよく逆に持つことがある。
 
癖なのかも知れない。しかし右手に片手剣を持ったソゥは、ジンをも凌ぐ剣技を見せることもある。
 
ジンもかちゃりとひとつ音を立て、太刀を下段に構えた。

 
そして、天井に目をやったときだった。すでにフルフルはジンに飛び掛ろうとしていた。
 
しかし、ジンの運動能力のほうが一枚上手だった。
 
バックステップにも似た動きで、太刀を振り回しながら後方に避けた。
 
その刃先がフルフルの首をかすめた。瘴気を放つ毒が傷口から注入される。
 
それと同時に、フルフルの心音の様なものが聞こえてきた。フルフルの体は毒に侵されていた。

 
ジンが静かな笑みを浮かべ、切りかかろうとした。
 
しかし、フルフルは左に転倒し、ジンの一撃はフルフルの顔をかすめた。
 
どうやら、足元でゴーストも乱舞をしていたようだ。
 
いつの間にかフルフルの首、足、翼。色々な箇所に斬撃による無数の傷が出来ている。
 

ジンはすぐにステップを踏み、体勢を立て直し、フルフルの首を切ろうとした。
 
その真横から、ソゥが大きく跳躍しながら切り掛かった。
 
2人の攻撃により、あっという間にフルフルの顔は傷だらけになった。

 
立ち上がったフルフルは、かなり体力を失った様だった。
 
フルフルやディアブロスなどといった一部の飛竜は、弱ると逆に怒り狂うものがいる。
 
それに油断して命を落とすハンターも毎年何人もいる。

 
そしてこの赤いフルフルも案の定、怒りから体に薄い電気を纏っているように見えた。
 
そして、パチッパチッと、火打石を打ち付けあうような音が洞窟に響いた。
 
ゴーストも警戒したのか、乱舞の手を止め素早く後ろに下がった。
 
ジンもそれと同時に、体勢を立て直そうと後ろへ下がったのだが、ソゥだけは違った。
 
「おらぁっ!!!この赤ゴム野郎がぁ!!!」1人、フルフルの首を斬ろうとした。

 
バシッ・・・!!!

 
持ち替えただけで腕に固定していなかった盾が、フルフルの鞭のような首に吹き飛ばされた。
 
それでも構わず、ソゥはその首に斬り続けた。しかし、怯む様子も無く、フルフルはまたパチッという音を立てた。
 
小さな静電気のような光が走ったと持った瞬間、フルフルは全身にその電気を纏った。
 
帯電。そう呼ばれるこのフルフルの攻撃方法には、ジンも注意していた。
 
ガードできない太刀使いにとって、深追いは死に繋がる。帯電はそれを物語るような攻撃の1つだった。
 
「ガードしろ、ソゥ!!!」ジンは叫びながらソゥのほうを向くと同時に、血の気が引くのを感じた。
 
ソゥの盾は、ゴーストの近くまで飛んで、転がっていた。

 
「うぁ・・・・!!」ソゥの悲痛の叫びが、洞窟に共鳴した。その体が、何メートルも吹き飛ばされた。
 
「大丈夫か?!!」ジンもさすがに不安になり、駆け寄ろうとした。ゴーストはなぜかソゥの盾を拾った。
 
「うっ・・・くっ・・・」ソゥはなんとか立ち上がった。想像以上にかなりのダメージを負ったようだ。
 
しかし、そんなソゥに赤フルフルは容赦や同情など持っていなかった。
 
その鋭い歯が並んだ大きな口を開いた。振り向いたジンは素早く耳を両手でふさいだ。

 
ギャアアアアォオオォォオオアォオオゥォオゥオオゥ!!!!!!

 
洞窟内の空気が、波紋状に揺れるのを感じた。ジンは目をつぶってその“痛み”に耐えた。
 
ソゥは少し耳をふさぐのが遅れたようで、痛みに顔を歪めている。

 
叫び終わると同時に、フルフルの長い首がしなって、ソゥのほうへ飛んできた。
 
ジンは体を動かすことすら出来ない。目の前のソゥに、赤い物体が襲い掛かる。
 
目をつぶっているソゥを見て、ジンも目をつぶってしまった。異様な恐怖感がジンを襲った。

 
仲間の死・・・それをジンが始めて予想した瞬間だった。

 
カアアァァアアン!!!

 
高い金属音が響いた。ソゥは飛んできた自分の盾で真横に吹き飛ばされていた。
 
ジンはその音に驚き、まぶたを開いた。ソゥは、命を落としてはいなかった。
 

フルフルが首を向けた方向、そこに立っていたのはゴーストだった。
 

同じようにゴーストに向かってフルフルの首が伸びた。
 
「避けろ!!早く!!」ジンの叫びに、ゴーストは反応したのだろうか。それはまったく解らなかった。
 

ゴギッ!!!!
 

今度は、鈍く響く音だった。
 
ジンもソゥも、背筋に何かが走るような、悲しみにも似た何かを感じた。
 
こんどこそ・・・誰かが死んでしまうという現実に直面する時が来てしまったのか。
 

ゴーストの体は後ろに滑りながら下がったが、吹き飛んではいなかった。

 
霞む霧がゆっくりと晴れていくとともに、ゴーストの姿が明らかになっていった。
 

デスギアの死神のような防具。大きなケープは破れてしまっていた。
 
そして、左腕だけ、その死神に似合わない強硬な金属の防具。
 
その鈍く輝く左腕が、フルフルの噛み付きを真正面から受けとめていた。



Chapter2-6『環(タマキ)と風間(カザマ)』に続く
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