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2007.04.15 MH小説『炎の山の狩人たち』vol.9
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押してくだちい
ふぅ~~
今日も小説更新しますよ!!

ちなみにMHP2は、専ら銀レウス連戦してます。
弓でハメてるだけですがww

小説は今回からChapter2に入ります。

本編は『続き』より。




Chapter2-1『髑髏剣士と未熟者』


ミュトシア歴631年、3月22日。
 

レオンたちとのバサルモス討伐から、2週間ほどが経った。
 
レオンは王国じきじきのクエストが長引き、ゼロは訓練所の新入生を教えていた。
 
レイは女ハンター仲間のドロシーとエルザと一緒に旅行に行ってしまった。
 
ジンはその間、独りでこまめにクエストをこなしていたが、
 
モノブロスの狩猟の際に腕に軽い怪我をしてしまい、3日ほど家で療養していた。
 

そんな2週間が過ぎた頃、ジンは家のベッドの上で『狩りに生きる』を読んでいた。
 
机の上には大きな柵があり、その中でレンゴクネコメガエルのレンコがマグマレッドベリーを頬ばっている。
 
「今週は北方の新武器紹介か・・・」ジンが独り言を呟いているときだった。
 
ドンドンドン!!ドンドンドン!!!玄関の扉を叩く音が聞こえてきた。
 
「ジンさぁ~~~~ん!!!!いるんでしょ?!俺っすよ!!!入りますよ?!!」
 
「ソゥか・・・」ジンが立ち上がって玄関に行こうとしたとき、玄関が開く音がした。
 
ジンが自分の部屋のドアを開けた瞬間、そこには一人の少年が立っていた。
 
「あっ!ジンさんっ!!お久しぶりっす!!!やっと訓練卒業しましたよ~~っ!!!」少年は嬉しそうに声を張り上げた。
 
「・・・お前勝手に入ってくるなよ・・・・・・」
 
「凄いでしょ凄いでしょ!!!俺ももう一人前っすよね?!!」その少年はジンの言葉を無視して続けた。
 
「あのなソゥ・・・一人前なヤツなんかいないんだ。俺だってまだまだ未熟者だ。それとも俺を追い越したのか?」
 
ジンは笑いながら言った。しかしその言葉はことさら嘘ではなさそうだった。
 

この妙にテンションの高い少年、名はソゥ・W・ナイトレニーという。17歳だ。
 
1年前、太刀に憧れハンターになることを決意して、東方諸島都市イグニレップからボルカ村にやってきた。
 
太刀使いとして名高いジンの父の元へやってきたが、そこにはその息子ジンしかいなかった。
 
そのときソゥはこう言った。
 
「まぁいいや!ジンさん!!ジンさんで良いんで俺に太刀を教えてください!!!」
 
失礼な野郎だ・・・ジンは真っ先にそう思って拒否した。
 
しかしソゥはそれから1ヶ月ほどずっとジンの家に通い続けた。
 
ジンはその意外な根性に負け、自分の教えられる範囲でなら、という条件で了承した。
 
しかしソゥはイグニレップの商人の息子。ハンターとしてのスキルは無いに等しく、ジンの苦労は表彰物だった。
 
そして3ヶ月ほど前から繁殖期に入り、
 
モンスターの活動が活発になりクエストが多くなったため、ジンはソゥを訓練所に送った。
 
ジンはソゥに、太刀の他に、サポート役で初心者でも扱いやすい片手剣も訓練するよう勧めた。
 

「いやそんな~~ジンさんは一人前ハンターっすよ。もう少しで上位Gクラスを受注できるようになるじゃないすか!!」
 

ソゥが言った上位Gクラスとは、上位の中でも低いレベルのことだ。
 
一般的にはGクラスは飛竜等の強力なものの狩猟を担当し、
 
上位Sクラスとはそのなかでも極めて稀少で強力な種や古龍の討伐を請け負っている。
 
今ジンやゼロ、レオンは下位のHクラス、HR3のハンターだ。ソゥはHR1、レイは2だ。
 

「まだまだだ!!そんなことより少しは腕を上げたのか?」ジンの言葉にソゥはにやけて答えた。
 
「へっへっへ・・・そりゃあの変態講師に教わった片手剣はジンさんより上手いかもしれませんよ?」
 
「それは楽しみだな。それじゃ腕も治ったことだし・・・久々にクエストでも行くか?」
 
「えっ?一緒にいいんすか?!!よっしゃ!!って腕どうしたんすか?!!」
 
「白モノブロスで油断した・・・」ジンは少し恥ずかしそうに言った。

 
2人はゼロの家に行った。ドアをノックすると、双子料理猫の兄の方、トウマが出てきた。
 
「今オレら2人しかいないニャ。飯食いたいなら金払えニャ。」ジンが頷くと、トウマは家へ入れてくれた。
 
2人は350zずつ払い。腹を満たした。

 
ジンは家に戻ると、ギザミの防具を着け、飛竜刀【翠】を取り出した。
 
外に出ると、ブランゴとザザミの防具を着け、アッパータバルジンを腰に取り付けたソゥが待っていた。

 
集会所に行くと、レイがいた。
 
「レイちゃん!久しぶり!!!」ソゥが嬉しそうに叫んだ。
 
「ん?ジンだ!おはよっ。あら、ソゥじゃん。うるさいと思ったら。」
 
「そんな~~!レイちゃん俺と一緒にクエスト行かない?よね・・・」ソゥは少し自身なさそうに言った。
 
「無理よ。今日はドロシーたちとクエスト行くんだから。」ソゥは予想通り断られてしまった。
 

そんなソゥを無視して集会所内を眺めていたジンは、チームのメンバーがもう1人いることに気がついた。
 
「よぉ、ゴースト。久しぶりだな。」ジンはその人物に近寄って言った。
 
しかし、そのゴーストと呼ばれる青年は、まったく動かず、喋らなかった。
 


ゴースト。本名は誰も知らない。年齢も、顔も、知る者はいない。無感情で声を聞いた者もいない。
 
デスギア全身装備に大きなケープで左半身が隠されている。
 
デスギアの頭装備に取り付けられた髑髏の面に、赤い血のような装飾を施し、不気味な雰囲気を持つ男。
 
背にはシンプルなデザインの双剣を携えている。6年前ハンターの間にも解禁になったギルドレイピア系の武器のようだ。
 
ゴーストは半年ほど前にソゥが1人はりきってババコンガを討伐しに行き、見事負けて気を失っているところを助け出した。
 
そしてその腕をジンが買い、チームに入るよう頼んだ。
 
無言のままだったが、ギルドカードを渡してきたところをみると、チームに入ってはくれたらしい。
 
たまにしか見かけないが、まだ一度も声を聞いたことはない。

 
「今日はどうもチームのほかの連中がいないみたいなんでな。
 
 ソゥと俺しかいないからゴーストも一緒にクエスト行かないか?」
 
「・・・・・・・・・・・・・・」
 
何か喋れよ・・・ジンは少し困った。
 
ふとゴーストの前を見ると、机の上に1枚のクエストカードが置かれていた。
 
「・・・ん?なんだそれ。」ジンはそれを手に取った。
 
「なんすかそれ?・・・あ、ゴーストさんじゃないですか!久しいですね!!」
 
ジンの後ろからひょいとソゥが顔をのぞかせた。
 
「ん・・・ゴーストが持っていたクエストカードなんだがな・・・」


「地質調査隊隊長:
 
 沼地での地質調査中、洞窟内で赤い飛竜に襲われた。
 
 いつの前にか上から降ってきて、隊の皆は大怪我を負ってしまった。
 
 飛流の出現ともなればハンターの出番だ。討伐を頼む。    報酬金:5200z 契約金:700z」

 
クエストカードにはそう書いてあった。
 
「赤フルフルか・・・ゴースト、一緒に行ってもいいか?」ジンはクエストカードを机に置きながら言った。
 
ジンの言葉に、ゴーストはやはり反応しなかった。しかし、ジンには頷いたように思えた。
 
「ソゥは初めてだったよな?赤フルフル。フルフルの亜種だ。」
 
「え?そんなのいるんすか?赤いんすか?フルフルのクセに!!」ソゥも興味津々だった。

 
その時、左腕の防具がカシャリと音を立てて、ゴーストが立ち上がった。
 
クエストカードを手に取り、受付嬢のレビィのところへ歩いていった。
 
レビィもゴーストがどんな人物か知っているせいか、慣れたように事項を確認していた。

 
ジンとソゥはゴーストの後についていった。
 
沼地行きの馬車乗り場に行くと、無口な猫で有名なタマキが、麦わら帽子をかぶって座っていた。
 

ジンとソゥはすぐにその馬車に乗り込んだが、ゴーストとタマキがなにやら話しているようだった。
 
もっともゴーストの声は聞こえなかったが、他の者との関係がゴーストにもあるんだな、とジンは感じた。

 
馬車が出発し、車輪がゴロゴロと音を立てた。


Chapter2-2『赤い悪魔の噂』に続く
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