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2008.08.25 【自作小説】シアワセの青い猫
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こんちわ。
PCなんとか直しました。大変でした。
とにかく全部消えた。2002年の状態になったからねw
今はなんか逆にIEが7になったりと色々進化した感じですw
ファイル共有関連が全部消えて、二度とファイル共有を使えなくなってしまったのは痛かった・・・

ところで

小説ですね。参加型のひっさあああああああしぶりの更新かと思った方、
ごめんなさい;;

ただの自作小説です。
気が向いたら書いてたもので、たいしたものじゃないです。
2部か3部くらい構成で、今回はその前編。

続きから。ちょっと長いので注意w;;
あとちゃんと校正してないのでヤバイと思いますwそこはご愛嬌でw(すむわけねーよ




シアワセの青い猫 前編




風をかき分け、屋根の上を走る。
あの赤い屋根を飛び越えたら目的地だ。
鳥になるのはもう何度目か。
今日も、風が気持ちいい。
この仕事を始めてから、どのくらいが経つのだろう。


ここは古びた小さな町だった。
雪が降って寒々と、風が吹いて冷え冷えと。
町そのものが震えているかのような、そんな小さな町だった。
レンガ作りの茶けた道を走る。
塀に飛び乗り、屋根に飛び乗り。こっちのほうが近道だ。
泥棒なんていないこの町では、窓を閉める人がいない。
二階の窓から荷物を放り込んだほうが、住んでいる人の手間もかけないし、第一速いのだ。
目的の家に着く。屋根から半身を乗り出して窓を覗くが、誰もいない。
でも一応。挨拶だけはしておくのは当然だ。

「あ、あの・・・よ・・しださ~ん?ここに荷物を置いときま・・・す・・・」

もしかしたら下の階に誰かいるかもしれない。俺はできるだけ、できるだけ聞こえないよう小声で言った。
腹筋に力を入れると、ほぼ宙吊りだった体は以前のように平衡を取り戻した。
そそくさと逃げるように足は走った。


この仕事を始めてから、どのくらいが経つのだろう。


もう2度目の冬が来ようとしているのに、俺はあの頃と変わっていない。
人と上手く話せないで、誰かと向き合って目を合わすのが怖かった。
だからこそ今はこの廃れたような仕事をしているんだ。
正直、恥ずかしかった。人と話すのも恥ずかしいし、話せない自分も恥ずかしい。
別に顔に自信がないわけでもなく、なぜか人と話すのが昔から苦手だったのだ。

「はぁー・・・」

荷物と一緒に入っていた手紙に、自分の住所が書いてあるのに気づいた。
同窓会の招待状だった。

「隣町でやるのか」

もう一度ため息が出た。手紙は丸めてポケットに入れた。



町は、南に海、西に大きな青い花畑があった。花畑は町とほとんど同じ大きさだった。
西と北には丘があり、西には他の町へと繋がる小さな一本道。
北の丘には、この町一番の富豪の家があった。
丘ひとつ、そして富豪の家のむこうにかくれた丘すらも富豪の土地だ。
半年ほど前に建った豪邸だった。
どんな金持ちが住んでいるのだろう程度の興味はあったが、元来大金を欲しなかったためか、町の噂には興味がない。
町を歩くたびに聴こえてくる噂には色々あったのだが、どれも嫉妬が混じってるんじゃないか?というようなものばかりだった。
しかしある日。電気屋の前で店頭のテレビを見つめていた俺の隣で、駄弁っている連中が放った言葉だけは、今も覚えていた。

「あの金持ち、この町を買い取って自分専用のひとつの別荘にしちまうってホントかよ。」

それが本当なら、俺はどうなるだろう。
住む場所も仕事もなくなるじゃないか。隣町でなんて俺なんかが生きていけるわけがない!
本当に俺はどうなるのだろう。冗談じみた噂。不安だった。
と同時に、見たこともないその富豪に、微かな怒りを覚えた。
すぐに握り締めた拳を開いた。それが根拠のない怒りだったので、また俺はひどく恥ずかしくなった。


*


春になった。

そんな噂も潮風に忘れさせられた。
仕事場に戻った俺は、いつものように同僚の中学生並みの茶化しを無視した。

「よう、引きこもり。」

いや、実際中学校でこんなことを言われたときには、本当に引きこもりかねないだろう。
今も中学生の頃も俺は引きこもっているわけじゃなかったし、反応するだけ悲しくなるのでやめた。
そもそも俺は屋根から屋根へ飛べるほどの運動神経はあったのだから。
俺が反応しないのを見て、同僚は黒いメッシュキャップを深く被って出て行った。
舌打ちしながら。


今日のノルマを見る。
張り出されたノルマをあんちょこにメモして、机の上の荷物を見やった。
見飽きた大小様々な荷物を鞄に詰められるだけ詰め込むと、一番下に荷物に潰された手紙があった。

「なんだこれ・・・」

手紙というよりは、便箋にただ一文書かれているだけだった。
差出人不明。切手も貼っておらず、ただ一文「花を届けてください」とメモのように書かれていた。
あて先を見て驚いた。
あの富豪の住所が書かれていた。


同僚か親方に相談すべきかと思ったが、あいにく俺は話が苦手なのだった。
また悩みが増えてしまったと、俺は手紙を見つけてしまったことに少し後悔した。


俺はその日の配達をすぐに済ませた。
手紙のことが気になっていた。どうすればいいのか迷っていた。
第一、花を届けろといってもその花が添えられてなかったのだ。配達屋に買えとでも言うかのように。
当然俺は花を買うにも花屋に行ったことも無かったのでその選択肢は最初から無かった。

「しかたないな。これも仕事か・・・」

生意気かも知れないが俺自身、配達屋としての自負心が芽生えていたのかもしれない。
花を探して、あの豪邸に届けることにした。


ぴったりの花はすぐに見つかった。
西の青い花畑は誰にも世話されずに、なぜか一年中咲き続けていた。
巷では「永遠の花」などと呼ばれ、正式名称すらわかっていないその花は摘んだとしても枯れないという。
家にあった白い紙に10本ほど花を包んで、それを片手に俺は急いだ。
花を届けるという口実とともに、俺は豪邸にいったいどんな人物が住んでいるか知りたかったのだ。
門は大きく、古臭いライオンの取っ手がついていた。
これを打ち鳴らしても絶対に中の者には聞こえないだろ、と思いながら門を飛び越えた。
砂利道に細心の注意を配った。
犬が苦手な俺は、こういう家には番犬がいて、砂利を踏む音で飛び起きて襲い掛かってくると知っていたからだ。
だが幸い犬はいなかったようで、いや、むしろ家には誰もいないように静かだった。
青いレンガの建物の裏手まで回ると、塀と屋根が沿っているところを見つけ、屋根の上に出た。
屋根は黒く分厚く、足場にも最適だった。身を小さく屈めたまま忍者のように屋根から屋根に飛び移った。
ただ最上階の1箇所だけ窓が開いており、そこ以外から室内を覗き込むことは出来なかった。


その窓のさらに上の屋根から、ぶら下がって中を確かめる。

「わっ!!」

同時に、2人の声が重なって響いた。一人は俺、もう一人は・・・
その部屋の住民だった。
目にくっきりと、同い年くらいの少女の顔が逆さに焼きついた。
しばらく身動きが取れなかった。
そのため俺は自分の失態に気づくのに時間がかかってしまった。
花は、少女がいた窓の目の前の屋根に落ちていた。
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