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2008.02.17 MH小説『炎の山の狩人たち』vol.66
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一昨日からテスト期間に入りました。

んで十日後から1週間もかけてテストorz

物理とか聞いてもわからないので全く完全に聞いてないので、ヤバすぎます・・・

なのに提出物すら終わってないという

そんななか小説なの

最終話なの




Last Chapter9-13『ジン』




世界はもうすぐ終わってしまう。

全てはもうすぐ消えてしまう。

それでも太刀を構え、終焉に抗おうとするハンターたちがあった。

リーダーの名を、ジン・ロックフォールド。





右腕は剣とでも形容すべき、金獅子の爪が食い込み、すでに感覚は無い。

全身を地面に叩きつけられた上、巨体に圧し掛かられて、ジンの肋骨は悲鳴を上げた。

「ぐあぁ・・・」

声にならない声をあげ、手で振り払ってみる。

動くはずがない。自分の何十倍の重量が四肢の動き全てを封じていたのだ。

「ぐ・・・・・く・・・」

押さえつけられた右腕は折れ、痺れは次第に激痛へと変わる。

風が流れた。

金獅子は目の前の敵―――標的を、レオンが片方を奪った隻眼で睨みつける。

火の山が騒ぎ立てるような戦いの猛々しさは、突如の無音に閉塞された。

黒檀のような灰の海が空を覆う。

空と、金獅子の金混じりの赤い瞳と。

ジンの視界はその二つによって世界から隔離されていた。




完全に止まったときの中、ジンの意志もゆっくりと薄らいでいった。

もう「まだだ」と叫ぶことも出来なかった。

地面から全身に熱が伝わり、体はとっくに溶けてしまった様だった。

少なくとも、すでに目すら瞑ってしまったジンにはそう思えたのだ。



これが・・・死ぬということなのか。



不思議と――当然なのかもしれないが――ジンは悔しかった。

ふと首を右に回したとき眼に映ったジンの右手は、まだ太刀を強く握ったままだった。

「麻痺してたんだな・・・」

ジンの独り言に、ぴくりともせず睨み続ける金獅子。

「気づかなかった。麻痺してただけでまだ、俺は太刀を握ってたらしい。」



―――その瞬間。

金獅子は悲鳴を上げる。

もろに至近距離での金獅子の怒号を受けたジンは、歯を食いしばってそれに耐える。

金獅子はジンから、意識を真後ろに移す。

ゴーストだ。

ジンからも、彼の姿は金獅子の体の隙間からはっきりと見えた。

「ゴースト・・・お前・・・」

折れた剣を振るい、ゴーストは金獅子の足を切り裂く。

“折れた”左腕をものともせず、ただ乱舞していた。


同時に飛び掛るように武器を振りかぶる2人。

レオンとゼロ。

焦げた防具と火傷を全身に、レオンは金獅子の尾に、ガンランスを真っ直ぐ構える。

「ガアァアアァ!!」

ジンを押さえつけつつ振り向く金獅子だが、レオンに躊躇は無い。

爆音と共に吹き飛ぶ、レオンの周囲。

煙が晴れた頃には金獅子の尻尾は消滅していた。


途端、金獅子は黒き牙獣へ戻る。しかし直ぐに金へと体色を豹変させる。

ジンは一瞬、金獅子の力が緩んだのを見逃さなかった。

「あぁあぁぁ!!」

折れた右腕を振り回す。感覚は無く力も入らないが、太刀は握られたまま半円を描いた。

「・・・・・・ッッ!」

地に再び叩きつけられるジン。

残った膂力を用いて放った一閃はいとも容易に金獅子に受け止められる。

強く握っていたはずの右手が解け、太刀が転がる。


もう一度咆哮を上げ、完全な金色の王となった瞬間だった。

「うおおぉおぉ・・・!」

眼に移りすらしない金獅子の回避もさせることなく、槌が金獅子の角へと命中。

―――ランスをそのまま取り付けたようなそれは、上回った力と強度に砕かれる。

「ガアアアァァ・・・」

ゼロは着地、と同時に彼の槌も割れる。



「ジン・・・!!」

ゼロがジンに手を伸ばすが、それは逆に遠ざかる。

ゼロ、レオン、ゴーストはあっという間に一掃され、遥か十数メートル向こうまで飛ばされる。



しかし金獅子の腕は、ジンを解放していた。

ジンは背中にずっと背負われたもう一つの太刀を抜く。

「俺は・・・まだ狩人だ・・・・・・」

太刀は金獅子の首筋に深く食い込む。


風が流れた。

また、静寂が訪れた。

金獅子の腕に吹き飛ばされるジンの体。



そして、金獅子の首から吹き出す鮮血。

掠れた咆哮を幾度となく上げ、金色の王の毛は黒く痩せていく。


地面に転がったジンは、その姿が火口の中に消えていくのを、薄れた意識の中ではっきりと見た。

「終わっ・・・・・・・・・・・た・・・・」




―――最後に立ち上がったのは、狩人たちだった。

レオンはゼロの肩を借り、ゴーストは重荷になった左腕を切り離し捨てる。

ジンは自らの太刀と、ソゥの太刀を鞘へ収める。

「本当に、終わったのか・・・・?」

誰もそれを信じられるわけが無く、ただ体中の傷の痛みに耐えているだけだった。

ジンははっきりと言う。

「終わった。俺たちの、勝ちだ。」

皆が安堵と歓喜の笑みを浮かべる。







―――1年後。

ボルカ村には、その名が戻ってきた。

そして、その外れにある狩人墓地にはボルカ村の村長がいた。

隣には、ジンの姿。

「母さん。俺、なったぜ。ロード・オブ・ハンターに、なったぜ。」

母が生前使っていた弓がそのまま使われた墓に、ジンは呟く。

「ジン、お前は母との約束も、わしやレビィとの約束も守ってくれた・・・わしはお前を誇りに思っておるぞ。」

「村長、あんたに誇りに思われてもな・・・」

ジンは村長を茶化し、墓地を後にする。


後ろから、いつものようにジンにかけられる声。

「ジンさん!こんなところで何してたんスか!?

 皆待ってますよ。まったく、自分から火山行こうなんて言い出したのに・・・

 ゴーストさんなんか、もうキレてますよ。」

「ははっ・・・すまん、ソゥ。ちょっとな。でもソゥ・・・ゴーストはいつも通りだろ!?」

集会所に入る2人。

「ジン、おはよっ!」「おぅ、ジン!遅ェぜ?」

兄妹は口々に言った。

その隣には、微笑んでいるレオンと、また面を被ってしまったゴースト。

「じゃ、まずはジン・ロックフィールド・ロードの、ロード・オブ・ハンターへの昇進を祝ってぇ・・・」

「はぁ~・・・」

「ソゥ、どうしたんだ?」

「いや、ジンさんを追い抜いてロード・オブ・ハンターになろうと思ってたのに・・・」

「はぁ~・・・」

今度は、ゼロやレイまでもが同じようにため息をついた。





約束どおり、ボルカ村には春が訪れた。

今だ、あの金獅子がその後どうなったかは定かでは無い。

しかしはっきりとした事実がある。


炎の山には今日も、狩人の姿があった。




―炎の山の狩人たち―
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