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2007.12.15 MH小説『炎の山の狩人たち』vol.54
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なんか大変待たせて申し訳ない・・・

小説です。

最終章です。

よろしくっす。

最近(ってか結構前から)ニコとかで初音ミク見かけますが、3Dで初音ミク作ってるヤツとか見ると才能の無駄遣いってか・・・
無駄遣いでは無いけど
まぁすげーとか思いますw




Last Chapter9-1『それぞれの鼓動』



「うおおおぉぉおぉぉおぉおォオォ!!」

青紫の柄を握ったソゥは、その先に伸びた刃を一回転させる。

それに抵抗する術も無く鎌蟹ショウグンギザミの鋏足がかなたへ斬り飛ばされた。

続いて背中から吐き出された水流を横飛びに交わすと、体を柔軟に翻すことでソゥの刃は鎌蟹に切創を増やしていく。

次第に動きが悪くなる鎌蟹に対しても焦りや深追いの色を見せることは無い。

追い討ちをかけようと思えば、簡単に鎌蟹を殺すことが出来ていただろう。

しかしソゥは一度、鋭気を保ったまま構えを中段に戻す。



ジン、ゴースト、レイ、そしてソゥが炎王龍を討伐した、2度目の“霜月の災厄”から2年。

“災厄”の掃討を目的に向かった百余名のハンターの中、たった4人の生還者としてその功労を認められたジンたちは、

ギルド評議会からの殊恩を拒否し、その後も通常のハンターとしての生活を送る。

2年たった現在、ジン、ゼロ、レイはハンターランク7、つまりボルカ村での最高位ハンターとなり、

ゴーストや他の英雄と呼ばれるハンターと肩を並べる形で東方では名の知れた存在となっていた。

そして一番の未熟者であったソゥもハンターランク6にまで登りつめていた。


右の鋏足とほとんどの足を奪われた“横行の介士”は尚、ソゥに向かって上位に分類されたことを裏切らない力をぶつけていた。

歩くことすら叶わない。しかし、鎌蟹はその体を土に引きずってソゥに鋏を浴びせる。

それもソゥには蚊の刺すくらいのことになってしまっていたのだろう。

最後には息を落ち着けたまま、鎌蟹の首と腹、鋏を泣き別れにした。

土が蒼く染まる。

「ふぅ・・・・」

「上位の鎌蟹でも、俺が手を貸さないで倒せるほどになったか。ソゥ、お前は強くなったな。」

「コイツは弱い個体でしたね・・・上位でもかなり下のレベルでしたよ。まだあのときの炎王龍のが・・」

ソゥはジンの褒詞に謙遜しながら、頭から防具を外した。

「でも、今回は俺独りで終始戦ったんですから、報酬は全部俺のですよ?」

ジンは笑い「わかったよ」と返し、2人は帰路についた。



「はぁ~あ・・・レオン君、元気にしてるかな~?」

深いため息をついたのはレイ。

「んぁ?レオンか・・・・・・・・・元気じゃねぇの?」

その兄のゼロは気の無い返事を返す。

「もう2年も会ってないよね、レオン君とは。向こうで彼女とか出来てたら・・・」

「出来て無くてもお前じゃ無理だよ。」

ゼロの頭をレイが叩く。

「それが身内にいう言葉かー!?」

そこに割って入ったのは、たった今集会所に戻ったソゥだった。ジンも後ろから顔をのぞかせる。

「まぁまぁ、レイさん。僕がいますよ、僕が。」

「はぁ!?」

「はぁッて・・・・・レオンさんかっこいいッすからね、彼女もいますよきっと。だから僕が・・・」

ソゥの馬鹿な話には付き合ってられない、とでも言うように、レイはソゥを無視して席を立つ。

それと同時に集会所の戸が開けられる。

確実な空気の変化と共に、集会所内にいた男たちがほぼ同時にそちらを見る。

「レイー?あ、いたいた。」

はじめに口を開いたドロシーを先導に、エルザ、カミオが華やかな空気を集会所にもたらす。

「レイ、クエストは決まったか?」

エルザは漆黒の翼をつけた黒い防具を身にまとい、レイのほうへ足を運ぶ。

その背には赤と黒の覇気を放つヘビィボウガン。

「うんッ!レンスボロック山の黒グラビ討伐。」

レイはすでにギルド受理の判子を押してある紙を見せる。

「が、頑張りましょう・・・!」

血を滴るような深紅に、不気味で巨大な口をつけた狩猟笛を担いでいるのはカミオ。気弱なか細い声が皆を激励した。

「うん。頑張ろうね、カミオ。」

レイは振り返ると受付嬢のレビィに手を振り、集会所の出口へと足を進める。

ソゥも手を振ったが見事に無視され、そのままテーブルに突っ伏した。



そして西方でもジンのチームの1人の姿があった。

蒼穹の色をした城――ガンランスから放たれた爆風が紅い魚竜を貫く。

「ふぅ・・・」

無謀かと思われた戦況を一気に翻した男に、戦意を失っていた他のハンターは一気に歓声を上げる。

名をレオン=ドラグノフ。鳶色をした髪が風を受けてゆれる。



家に帰ったジンは、まず太刀の手入れを始める。

これはジンがハンターになり太刀を握ったその日から欠かさず続けていることで、ソゥにも同じくさせていることだった。

『直し忘れた1つの刃こぼれが命のやりとりには許されない。』という父の教えをジンが忘れることは無かった。

そしてジンはいつものように、部屋の端に置かれた大きな箱を開ける。

アイテムボックスと呼ばれるその箱の中身は、ガラクタのように物が入れられている。

しかしそのガラクタは一般人からすれば手の届かない高貴な物ばかりだ。

そのなかでも一つだけ、片手剣の盾の形に似た箱があった。

「もう2年・・・・・・・か・・・」

独り言。ジンは呟きながらその箱の手を伸ばす。

箱の中には、火の色をした手のひらほどの鱗がひとつ。

たった一つの鱗が今だ心臓のように鼓動し、微かな熱を放ち続ける。

ジンはもう一度呟いた。


「もう2年か・・・・いや、もう10年か・・・・」




Last Chapter9-2『万人が通る道』に続く
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