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2007.10.20 MH小説『炎の山の狩人たち』vol.48
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押してくだちい
ずっと放置しちゃってサーセン

学校関連が忙しく・・・まぁ言い訳はやめときます。

とりあえず、更新頻度は少し落ちるかもです。

土日はおkだと思いますが、平日は出来て月水だけになりそうです。

サーセン・・・

コメ返はPSPから速攻で出来るので、じゃんじゃnコメください!w


つーわけでまた小説ッス。TOP記事等の更新は後ほど

もうすこししたら絵もまた載せようかな。

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ランクひっきーwwwひとつお願いします・・・




Chapter8-2『死神は狩人の元へ』



「確かめに行く?」

「そうだ。あの街には何かある。何かが起こっているような気がするんだ。」

ゼロの問いに、ジンは淡々と答えた。

「ジン、気持ちは分かるけどな。」

ジンは少し厳しい表情になり、ゼロの目を睨んだ。それに下がることは無く、ゼロは続ける。

「お前があの古龍を仇として今まで努力してきたのは分かる。

 でもな、あの古龍はもう討伐されたんだ。それを確かめたいと言うのも分かる、けど俺たちは・・・」

ゼロが言わんとすることを、ジンは理解していた。

それを確認するように村長が口を挟む。

「ジンよ、ゼロの言うとおりじゃ。ゼロも、レビィもわしも、お前の気持ちは痛いほど分かる。

 しかしクエストを受理されていないハンターが“狩場”へ行くことは許可されてはおらん。

 これはウチの集会所の掟ではない。ギルドの定めたことじゃ。

 破ればギルドナイトに狙われることになるのじゃぞ。」

クエストを受理されていないハンター、つまりクエストを受けずに“狩場”に行ったハンターは、犯罪者となる。

承認外での狩猟行為は規約を逃れることも可能であり、

価値の高い竜の素材をギルドの定めた量以上に入手したり、別のハンターの狩猟の妨げとなったりと、

迷惑甚だしいということで例外を除き厳しく禁止されている。

ジンがそれを承知で言葉を発していたし、そのことはゼロたちも解っていた。


「それでも・・・」


「とにかくジン、俺は今から訓練所の講習だ。お前の気持ちは分かるから言うのは辛い。

 仕方ないんだ。

 諦めるしかないんだ。」


そう言うとゼロはじゃあな、と付け足して集会所を出て行った。


ゼロの言葉が、ジンに胸を貫くような痛みを与える。

ジンは歯を食いしばる。


集会所は今だ騒がしく、罵声さえ聴こえてくる。

「あ、ジンさん!あの浮岳・・・・」

ソゥがゼロと入れ替わりでジンに近づく。が、ジンの様子を見て2人は足を止める。


「村長、どうしても行かせてはくれないか?」

「駄目じゃ。わしは自分の教え子をギルドナイトの標的になどしたくは無い。」

「あんたに迷惑をかけるのは分かってる!!」

「なぜそうまでしてあの街に行きたがる!母親の事だけではなかろう!?」

「嫌な予感がするんだ。おかしいだろう、ハンターが誰も帰ってきてないんだぞ!?」

村長の顔が、ジン以上に悔しそうに、そして悲しそうに震えた。

「じゃからそれは今調査中じゃ!!貴様は親の仇の死骸を見に行きたいのか!!?」


何も言い返せないジン。

一息つくように酒を口に流し込むと、村長は静かに続けた。

「とにかく・・・お前を行かせることはできん。

 ハンターが帰って来ない、何かあるとはわしも思う。しかしお前の今の実力では行かせられん。

 あそこで何かある、とすれば・・それは・・・・・」

ジンが俯くのを見て、村長は口をつむいだ。


村長の、言うとおりだ・・・

もう諦めて忘れるしかないのか・・・

結局、間に合わなかったのか・・・


様々な言葉が頭に浮かんでは消え、そのたびにジンの悔しさは増していった。


その時だった。

金属がきしむ音。少し開いたジンの目に映るのは、灰色無垢な金属に纏われた腕。

「ゴースト・・・・」

ジンの横に立ったハンター、闇の深淵より現れる死神のような姿。

番に成された背中の剣。

ジンはそれを見るなり目を見開いた。

「ゴースト・・・それは・・・・・・封龍剣」

ゴーストは頷きもしないが、それは『封龍剣【超絶一門】』と呼ばれる剣だった。

世界でも持つものは数十名、古の剣にして龍を滅する失われた剣。

現代の技術ではたとえ東方の巧であったとしても再現することはできない、純粋にして謎に包まれた黒き番。

その黒く浩々と広がる闇のような刀身は、暗に包まれし黒龍の素材で作られ、そしてその黒龍を倒すためにあると言う。


ゴーストは左手で1枚の紙をカウンターに滑らせた。

それを見るなり、曇らせていたレビィの顔は、驚きと同時に少し嬉しそうに輝いた。

「村長!!これ!ゴーストさんの『特殊視察許可状』!!これで・・・」

村長は大きなため息をつく。しかし、その表情はレビィとどこか似ていた。

顔を上げたジンは村長たちが何故にやけているのかが理解できないようで、ゴーストの紙を必死に見る。


そこに書かれていた、すべて赤文字で記された文。

『特殊視察許可状』。

ギルドや集会所によって様々であるハンターランクの内、最も高位であるランクを持つハンターのみに与えられる特権の1つ。

誰しもが知る規約の1つである、『ハンターの狩猟以外での狩猟区域及び危険地帯への進入禁止』の、ただひとつの例外。

本来、最高位ハンターのみが新たな狩猟場所を発見することを委託された際、

狩猟目的以外でそれらの場所へ足を踏み入れることを許されるのだ。


ジンはそれを知らなかったこともあったが、

それよりもゴーストがハンターランク7、つまり最高位ハンターであることに驚きを隠せなかった。

「仕方ないのう。ゴースト、おぬしとそのパーティが街へ行くことを許可するしかないのう。」

「ふふ・・・」

レビィと村長は、我が事の様に歓喜の笑みを漏らす。

「良かったじゃん、ジン!」レイがジンの肩を叩く。

「まぁどんな最強の古龍だろうとなんだろうと、最強のルーキー・俺がいるパーティの敵じゃないですけどね~!!」

はっはっは、と口減らずなソゥが笑うが、すぐにレイに頭を叩かれる。



「ゴースト・・・・」

ジンは呟くと一度目をつぶり、またゆっくりと開いた。

「ありがとう。」

ジンの言葉を受け取ったかどうか、なんて事は誰も分からない。

ゴーストは早くしろ、と言うように集会所の出口へと踵を返した。



「じゃあ、村長、レビィ。行ってくる。」




Chapter8-3『災厄の再臨』

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