2007.03.14
自作小説『Andante 歩くような速さで』③

押してくだちい
『メール』
司(つかさ)はよく友達から『変な野郎』と言われることが多い。
一言で形容してしまうなら『ネバい』。そして『鈍い』。変なキャラ。
頭はハードワックスの量を半端無く付け、無造作にツイストを作っている。
自分で自分の髪をすくくらいはでき、いつも同じような微妙な髪型。
いろんな意味で『ネバく』、『鈍い』男だった。
中学のときやっていた剣道を「めんどくせー」と辞めた。
身長も無駄に180近くありいろんな意味でネバかった。
2006年。高校1年も折り返しの後期中間試験が終わった頃。
秋良(あきら)が司に突然言った。
「なぁ、お前さ。なんか俺の中学のタメが男紹介してくれって言いよるんやけど、どう?」
「えぇ・・俺?なんで俺?」
「やって、お前以外ほとんど彼女おるやん、ツレは。どうよ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・ま、一応紹介して。」
「おう!んじゃお前のメアド教えるわ!写メも送るぞ?」
「うん。って写メはやめろや!!」
その夜、その娘からメールが来た。
『こんばんわぁ!!澤田明希(あき)って言うンやけど』
ギャル文字は少ないが、絵文字がかなり多い。1文の最後に4個くらいついている。
『あ、秋良が言ってた。』
『じゃあ、メールしてもええんやぁ!坂田司くんって言うン?司ってかっこええなぁ!!』
『いや、かっこよくないよ・・』
『かっこいいよ!笑 つかさくんって呼んだらええかなぁ?』
『あー、うん。なんでも好きに呼んでええよ笑 それじゃ、えーと・・・俺はなんて呼べばエェかな・・?』
『あたしもなんでもエェよ!好きに呼んで。明希とかでも!』
こう言われると、逆にどう呼べばいいのか迷う。
自分がどんなに相手が困るような質問をしてるのだろう、とやっと気づいた。
『それじゃ澤田さんで笑』
それからメールは続いた。授業中、通学中、夜。
友達に紹介してもらってメールする・・・なんてことは初めてだったが、司は楽しかった。
ピローン♪
携帯の写メの音。
司は数秒たってやっと、自分が撮られたことに気がついた。
「おまっ・・なに勝手に撮ってんだよ!」
司は秋良の携帯を奪おうとする。
「いやな、前、お前の写メ送ったじゃん。なんかよくわかんねぇからもう1枚くれって・・」
奪い取った携帯には、馬鹿笑いする司の姿。そして秋良はすかさず保存ボタンを押す。
「あっ・・!おまっ!!消せや!」
「ええけん送らせろや!!あ、そうや、向こうの写メもやるわ。」
「はぁ?送るなよ!!やめろって!!」
「送らせんと、向こうの写メやらんぞ?」
秋良は軽く脅しに出た。
「はい・・・・送ってください。」
秋良から貰った写メには、2人の女子が写っていた。
「おいまさか右とかじゃないよな?」
「お前、酷いこと言うな~(笑)。右やで。」
「はぁ!?」
「嘘やって(笑)。左や。な?メールして正解やったやろ?」
「はい・・・ありがとうございます・・・(笑)」
それから、本格的に学生祭の準備が始まり、執行委員だった司はなかなか暇が無く明希とも遊ぶことができなかった。
そして、学生祭当日がやってきた。
『行くよ!絶対 あたしお菓子とか作るン好きやから、何か持って行ってあげる!』
『来てくれたらそれで嬉しいし、別に構わんよ?』
『ありがと!あ、でも俺、学生祭執行委員やし、忙しくて会えんかも。』
『どこにいるか言ってくれたら、絶対顔出すよ!!』
メールを始めて、1ヶ月。学生祭は、司の誕生日の1週間前。
それまで、司は明希と会ったことがなかった。
午後8時前。次第に冷え込んできた。もう空は冬の闇の色だった。
『本夜祭』という学生祭で最も楽しく盛り上がる企画の間も、執行委員に休みは無い。
司は学校の門で、送迎バスや他の車の誘導に励んでいた。
「あー・・・暇やな~・・・」
自然にもれた、独り言。
「こんばんわ!」
司が後ろを振り向くと、そこには写メの娘が立っていた。
「司くん?やんね?」
「あ・・・うん、澤田さん?」
結局照れてしまい、2人はあまり喋れなかった。
最後に送迎バスに乗り込む明希が、司に手を振った。
司も振り返す。
それから、なぜか明希からのメールは次第に少なくなっていった。
司も、だんだんとメールを送ることを止めていった・・・
「俺、なんか嫌なこと言っちまったかな・・・」
司(つかさ)はよく友達から『変な野郎』と言われることが多い。
一言で形容してしまうなら『ネバい』。そして『鈍い』。変なキャラ。
頭はハードワックスの量を半端無く付け、無造作にツイストを作っている。
自分で自分の髪をすくくらいはでき、いつも同じような微妙な髪型。
いろんな意味で『ネバく』、『鈍い』男だった。
中学のときやっていた剣道を「めんどくせー」と辞めた。
身長も無駄に180近くありいろんな意味でネバかった。
2006年。高校1年も折り返しの後期中間試験が終わった頃。
秋良(あきら)が司に突然言った。
「なぁ、お前さ。なんか俺の中学のタメが男紹介してくれって言いよるんやけど、どう?」
「えぇ・・俺?なんで俺?」
「やって、お前以外ほとんど彼女おるやん、ツレは。どうよ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・ま、一応紹介して。」
「おう!んじゃお前のメアド教えるわ!写メも送るぞ?」
「うん。って写メはやめろや!!」
その夜、その娘からメールが来た。
『こんばんわぁ!!澤田明希(あき)って言うンやけど』
ギャル文字は少ないが、絵文字がかなり多い。1文の最後に4個くらいついている。
『あ、秋良が言ってた。』
『じゃあ、メールしてもええんやぁ!坂田司くんって言うン?司ってかっこええなぁ!!』
『いや、かっこよくないよ・・』
『かっこいいよ!笑 つかさくんって呼んだらええかなぁ?』
『あー、うん。なんでも好きに呼んでええよ笑 それじゃ、えーと・・・俺はなんて呼べばエェかな・・?』
『あたしもなんでもエェよ!好きに呼んで。明希とかでも!』
こう言われると、逆にどう呼べばいいのか迷う。
自分がどんなに相手が困るような質問をしてるのだろう、とやっと気づいた。
『それじゃ澤田さんで笑』
それからメールは続いた。授業中、通学中、夜。
友達に紹介してもらってメールする・・・なんてことは初めてだったが、司は楽しかった。
ピローン♪
携帯の写メの音。
司は数秒たってやっと、自分が撮られたことに気がついた。
「おまっ・・なに勝手に撮ってんだよ!」
司は秋良の携帯を奪おうとする。
「いやな、前、お前の写メ送ったじゃん。なんかよくわかんねぇからもう1枚くれって・・」
奪い取った携帯には、馬鹿笑いする司の姿。そして秋良はすかさず保存ボタンを押す。
「あっ・・!おまっ!!消せや!」
「ええけん送らせろや!!あ、そうや、向こうの写メもやるわ。」
「はぁ?送るなよ!!やめろって!!」
「送らせんと、向こうの写メやらんぞ?」
秋良は軽く脅しに出た。
「はい・・・・送ってください。」
秋良から貰った写メには、2人の女子が写っていた。
「おいまさか右とかじゃないよな?」
「お前、酷いこと言うな~(笑)。右やで。」
「はぁ!?」
「嘘やって(笑)。左や。な?メールして正解やったやろ?」
「はい・・・ありがとうございます・・・(笑)」
それから、本格的に学生祭の準備が始まり、執行委員だった司はなかなか暇が無く明希とも遊ぶことができなかった。
そして、学生祭当日がやってきた。
『行くよ!絶対 あたしお菓子とか作るン好きやから、何か持って行ってあげる!』
『来てくれたらそれで嬉しいし、別に構わんよ?』
『ありがと!あ、でも俺、学生祭執行委員やし、忙しくて会えんかも。』
『どこにいるか言ってくれたら、絶対顔出すよ!!』
メールを始めて、1ヶ月。学生祭は、司の誕生日の1週間前。
それまで、司は明希と会ったことがなかった。
午後8時前。次第に冷え込んできた。もう空は冬の闇の色だった。
『本夜祭』という学生祭で最も楽しく盛り上がる企画の間も、執行委員に休みは無い。
司は学校の門で、送迎バスや他の車の誘導に励んでいた。
「あー・・・暇やな~・・・」
自然にもれた、独り言。
「こんばんわ!」
司が後ろを振り向くと、そこには写メの娘が立っていた。
「司くん?やんね?」
「あ・・・うん、澤田さん?」
結局照れてしまい、2人はあまり喋れなかった。
最後に送迎バスに乗り込む明希が、司に手を振った。
司も振り返す。
それから、なぜか明希からのメールは次第に少なくなっていった。
司も、だんだんとメールを送ることを止めていった・・・
「俺、なんか嫌なこと言っちまったかな・・・」
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雷滅@封龍宝剣ライテイ
なんでしょう・・・。
この切ない思いは・・・?
なんか微妙な空気が続くと、
気まずくなって、話しづらくなりますよね^^;
僕もそういう経験、何度もありますw
この切ない思いは・・・?
なんか微妙な空気が続くと、
気まずくなって、話しづらくなりますよね^^;
僕もそういう経験、何度もありますw
2007/08/29 Wed 18:12 URL [ Edit ]
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