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2007.03.14 自作小説『Andante 歩くような速さで』②
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『クロスオーバー』


聡一郎(そういちろう)は、中学から始めたバスケを、高校でも続けようとバスケ部に入部した。

しかし、「自分に合わない」と言う理由で、すぐに幽霊部員になってしまった。


聡一郎は、どこにでも、そのクラスにも1人はいそうな明るいヤツ。

テンションが低いときのほうが珍しい。それくらい明るいヤツだった。

それが裏目に出て時にはウザがられたりすることもあったが、それでもいつもクラスのムードメーカーといった感じだ。

そして、バスケはかなりの上手さだ。

ワンonワンで聡一郎を止めることのできるヤツはいないし、抜くことのできるヤツもいない。

聡一郎の『クロスオーバー』には運動神経のいい野球部のヤツらも反応できなかった。

クロスオーバーとは、名の通り相手に相対したときに素早く対角で動くように抜き去る技だ。

そんな聡一郎は、やはりモテた。

中学のときは4人、付き合っていた。


高1から引き続き、聡一郎と司(つかさ)、そして悠(ゆう)は2年になっても学生祭の執行部員になった。

聡一郎と司が学生会室に行くと、誰もいなかったので待つことにした。

司がパソコンをいじっていると、聡一郎が突然切り出した。

「なぁ、司。お前彼女とかいた?」

「あ、ああ・・・お前は?」

「へっへ~~、俺やなぁ、今まで4人も付き合ったわ!!」

「へぇ・・」

「『へぇ』って・・最初のヤツが4日。次が1ヶ月、その次が8日、最後が2ヶ月で別れたけどな!」

聡一郎は笑いながら言う。

「へぇ。倍になってるのか。じゃあ次は8日の倍で16日か。頑張れよ」

聡一郎の笑いが止まる。

「うっせーーー次は2年は付き合ってやるわ!!見とけよ!!」

これが、今年の5月の話。



聡一郎は、それから1ヵ月後の6月3日、1年生の後輩に告白した。

聡一郎は誰とでも、たとえ初対面の相手でも話せる男だったため、学生祭の1年生ともすぐに打ち解けていた。

そのためか、この1年生にもOKされた。

ボブかセミロングの、爽やかな感じの娘。ぱっちりした目は、誰が見ても明るい印象を受ける。


「おっしゃ見とれよ!司!!16日以上付き合ってやるわ!!」

「うん、頑張れよ。」

「反応薄いな・・・」


それから次の日曜日、2人はとりあえず遊ぶことになった。

聡一郎の感想は、「楽しかった。」


それから、聡一郎は会議や集まりがないときにも学生会室に向かうようになった。

彼女がよく、意味もなく学生会室にいると聞いたからだ。

勉強にはあまり自信があるわけではない聡一郎だったが、1年生の内容なら教えられたので、よく一緒に勉強もしていた。


次の休みの日も、2人は遊んだ。

聡一郎のテンションは、日に日に増していった。

だれもついていけないくらいに・・・・


6月18日。

「おい司!!今日で16日やぞ!!俺の勝ちか?何おごってくれる?」

「いやいやおごるとか言ってねぇし・・」

「てめーおごれよ!からあげくんなぁ!!」

「まぁ、お前が後2週間、合計1ヶ月付き合ったらなんかおごってやるわ。」

「言ったな?約束やぞ!!」


6月20日。

聡一郎は、突然別れた。ふられたらしい。

今まで最高頂にまで上がっていたテンションは、割れた風船みたいに一気にしぼんだ。

「18日か~。ま、俺の言ったとおりだったろ?」

「うっせー・・・」


それから2時間後。

聡一郎のテンションはいつものように戻っていた。

それから、夏休み前になって聡一郎はバスケ部に顔を出すようになった。



クロスオーバー。

相手に触れ、近づくのは一瞬の話。
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