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2007.08.17 MH小説『炎の山の狩人たち』vol.37
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昨日の夜書くなんていっといて書けなかったわ。
なんか前話とのつながりが微妙なのは華麗にスルー頼みます。

アー今週は暇すぎる。




Chapter6-2『Ebony Squall』



ほどけたレグスの紐を、きつく締めなおす。

何度も目に入ってくる雨滴に、ジンは目をしばたかせる。

「とりあえず、あの木陰にでも入って雨宿りしましょうよ!」

ソゥは大きな木のほうを指差しながら、うんざりした表情を作ってみせた。


すごい雨だ。西方都市のアラクアから、ここへ来るまで2時間強。

依頼を受けてすぐに出発したというのに、もう昼は過ぎてしまった。

途中までは馬車を使っていたのだが、それもこの別世界のような豪雨に入ってからは

勿論のこと、進むことができなかった。

そこからは歩きを強いられ、1時間以上かけやっとのことでベースキャンプまでたどり着いたのだ。


ジンは、雨をはじき忙しなく跳ねる木の葉の隙間から、空を仰いだ。

真っ黒な厚い雲に、太陽の光は一筋たりとも差し込む余地が無い。

この西方の密林すべてを覆ってしまう、年に一月ほどの大豪雨。

それがこの『エボニー・スコール』だった。

幼いころの、今ではもう忘れかけている記憶の中の、『雨』というタイトルの絵。

なぜかジンはその絵の中に入ってしまったような気分に襲われた。


「こんな所でじっとしてても仕方ない。ソゥ、そろそろ行くぞ。」

「え~・・・!この雨、少しは弱まったりしないんすかねぇ。」

ソゥは木陰から手を出してみる。

乾きかけていた手のひらが、あっという間に濡れてゆく。

それを見るなり急いで手を引っ込めた。

「どうせ、これからもっとびしょびしょだ。もうここに来るまでに相当濡れたんだし、諦めろ。」

ジンはアラクアギルドのマスターから貰った地図と、依頼主のネコから渡された依頼書を見た。

西方言語は東方言語に近いところが多く、地図のほうを理解するのは容易だった。

アイルー族の、絵のような文字で書かれた依頼書のほうは、ジンも2、3歩下がってしまうほどだった。

難しい顔をしてジンが見ている紙を、ソゥがよこからひょいと覗き込んだ。

「アイルー文字すか。あぁ、これは『年老いた長老と2匹の子ども、

 あと密林アイルー族の宝物が多数取り残されている。救出してくれ。』って書いてるんすよ。」

「ソゥ、お前読めるのか?これが・・・」


ジンはソゥの意外な能力に、変なものを見るような顔をした。

ジンの指先には、魚やら林檎の絵まで描かれている。

「へへ、ウチの実家が結構デカい商人なんで、ネコ族との取引も少なくないんすよ。

 ネコ族の言語は人間と違って世界共通ッすからね。」

ソゥは少しも自慢している様子は無い。

ジンの「なるほど。すごいな、お前。」という言葉に、ソゥは嬉しそうに顔をほころばせる。


地図の道のり通りに密林アイルー族の住処へ向かって、早30分。

ジンたちは『エボニー・スコール』、つまり漆黒の雨の本当の意味を理解することとなる。

目に雨が入らないように頭に巻いた布も、ものの数秒で逆効果になってしまった。

それほどのすさまじい雨によって、霧も打ち消される。

しかしその雨のせいで、10メートル先はもう何も見えない。

ただでさえ晴れていても邪魔な原生林は、この豪雨の中でも健在だというのに。


足元はくるぶしまで水に浸かり、川と地面の判別もままならない。

その上どこもぬかるんでいる。

ジンとソゥは幾度となく足を取られ、ソゥは2度も木の根につまづいて全身泥まみれという有様だ。

泥の化粧をして、ソゥはさっきから何度もため息をついている。

そのため息も虚しく、ただ雨音に打ち消されるだけだった。


2人は今にも壊れそうな、川に架かった丸木橋を渡る。

「そんな顔してると、子猫が泣くぞ。ソゥ」

ついに密林アイルー族の住処へと到着した。



Chapter6-3『雨はまだ止まない』に続きMATH
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