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2007.08.11 MH小説『炎の山の狩人たち』vol.35
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押してくだちい
今日はもう11日ですか。
学生の皆さん、あと20日ほどで学校が始まりますよ~
宿題ある方は終わりました?
私はぜんぜん終わってませんwww

なのに小説を書いたお。
読んでねw

ふーむ。今回でChapter5終了ですな。
やっと折り返し地点かな?予定ではChapter9が最終です。
単純計算。1Chapter6話として9章あるから54話。
Chapter1とか2は8とかまであるから
まぁ60話で終わるくらいかな?飽きてなかったらww

長ぇよ!!



Chapter5-6『吹雪に大老』



火山の火の粉とは対照的だが、それはそれで苦戦を強いられる雪山の吹雪。

長らく続いていたその吹雪が止んだと聞いてクエストを受けたが、その吹雪はまだ続いていた。


「おい!レイ、しっかりしろ!!これ飲め!」

ゼロが全身氷に纏われたレイを介抱する。

「う・・ん~大丈夫・・・」

レイはゼロの手から『解氷剤』の入ったボトルを受け取る。


「うおおおぉ!!!」

ジンが真後ろから、そしてゴーストは真正面から斬りかかる。

結果は予想通りといってもおかしくないものとなった。

ジンの太刀の刃が、ドドブランゴの頭殻を、そしてタイロウヤザミの尻尾を切り裂く。

そしてゴーストはタイロウヤザミの両腕を見事に避けながら、それらに斬撃を加えてゆく。


ジンには1つの作戦があったのだ。

タイロウヤザミは左右前後、死角はほとんど無いと考え、その前後を同時に攻撃し強襲をかける。

腕の立つゴーストに前面を任せ、自分は後部の頭殻を攻撃する。

特に相談しなかったものの、単純な作戦とはいえゴーストはきちんと動いてくれていた。


突然の事だった。

タイロウヤザミの口から泡が吹き出し、その動きが止まる。


ブッシュウウゥウゥゥ!!!!


口、そして背負われた頭殻からのブレス。

斜め方向に入るように前転し、ジンは回避する。

ゴーストは・・・


薄い霧が烈風で飛ばされる。

ゴーストは左肩にかけていたケープでブレスと防いだらしい。

ケープは凍りついて板のようになっている。

ゴーストはそのケープを外し地面に落としたかと思うと、すでにタイロウヤザミの懐まで入っていた。


タイロウヤザミの左腕をかわすゴースト。

右腕が彼を切り裂こうとした時、ゴーストの姿はすでに消えていた。

両手で剣を握りながら、タイロウヤザミの足の下をすべる。

後方まで抜けるとき、ゴーストはその腹や足を切り裂く。

バチッバチッ、と火花が散る。

ゴーストがジンの足元に滑り抜けて立ち上がったとき、タイロウヤザミの足が崩れる。

麻痺状態に陥ったのだ。


ゴーストの携えた双剣、スレイプニル・ガデス。

羽のような装飾が施された、白い双剣。

数少ない状態異常効果を持った双剣のうち、麻痺をもたらす物の1つだ。

ドスゲネポスの上質な麻痺袋から鈍い白の鋼を加工した刃に直接、麻痺毒液が送り込まれる。

勿論、上位に入ったものだけが作ることのできる双剣だった。


滑った余韻のまま身をひるがえしゴーストは立ち上がる。

ジンはその姿を見ず、ゴーストと共に頭殻を斬り始める。

そしてレイが矢を放ち、ゼロもタイロウヤザミの頭部を叩き潰す。

堅い毛の生えた甲殻が割れ、散っていく。



麻痺がきれた瞬間、タイロウヤザミは地面にもぐって他の場所に逃げてしまった。

回復薬を飲むジン、砥石をかけるゴースト。

「ゴースト、お前すごいな・・・」

ジンはゴーストの背中を見る。

背のホルダーに挿された双剣が輝くのを見ると、ジンはなぜか安心感が感じられるようだった。



気配はまた少し山を下ったところに感じられた。

ここも少し弱まってはいるものの、やはり吹雪いている。

4人は一斉に走り出した。

一番最初に斬り込んだのはジンだった。

刀の右腕と太刀を交える。

しかし、先程とは大きく違っていた。

今度は見えている。

タイロウヤザミのダメージもあったが、ジンの精神力の勝ちだった。


バシュ・・・ッ!!


太刀の刃が右腕ごと切り落とす。

「ジンには・・負けねぇぞ!!!」

ゼロも気合い十分でハンマーを振り回す。

勢い余って、ゼロはタイロウヤザミの顔の前の地面にハンマーを叩きつけてしまった。

そしてその顔に向かって走るゴースト。

それに対し氷ブレスを吐き出そうとするタイロウヤザミ。


ブシュウゥ!!


ゼロのハンマーを台にし、大きく跳躍する。

氷ブレスは、半分ほど雪に埋まったゼロのハンマーを凍てつかせた。

ゴーストはそのままタイロウヤザミの肩を蹴り、さらに大きく跳び、背後へ飛び越える。

「おおぉ!!ゴーストオォ!!俺のハンマーを踏み台にしやがってえぇ!!!」

負けず嫌いな性格のゼロは、それがすぐに分かるような、

悔しそうでもあり怒りにも満ちた表情を見せながら槌を振るう。

「うおりゃあああぁあぁ!!!」

余韻で自身が転がるほどの力で、ゼロはハンマーを打ち上げた。


バキイィン・・・・・・!!


タイロウヤザミの左腕そのものが砕け散り、青い体液が槌に飛ぶ。

声は発さないものの、タイロウヤザミは苦痛に怯み続ける。

しかし、それもすぐに終わった。


タイロウヤザミの巨体が激しく痙攣しだす。

一連の攻撃の隙に、ゴーストが麻痺罠を足元に仕掛けていたのだ。

レイが素早く矢をつがえる。

赤い矢尻、そして赤い羽根の付いた矢。

麻痺と睡眠の作用を持ち合わせた、捕獲用の麻酔矢だった。

3発同時にそれが放たれ、タイロウヤザミの体はその場に力なく崩れる。


「はぁッ・・はぁッ・・・終わった・・・はぁッ・・みたいだな。」

「あれ・・・?今気づいたけど、吹雪き止んでるね。」


吹雪の終わりは、またこの雪山の王が沈んだことを表しているようだった。


Chapter6-1『助けてニャ!』にcontinue
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