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2007.07.25 MH小説『炎の山の狩人たち』vol.29
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最近、暇なんだ・・・
やることがないことは無いのに、やってない。
なのに、暇。この矛盾野郎!!!
バイトはまだだしね。8月入ってからだよ。
だから、暇。
だから、小説を書きました。

頭、痛い。





Chapter4-7『死の意味するもの』



ジンの太刀が女ナイト・マリアに振り下ろされる。

しかし、それはもう1人の男ナイトに受け太刀された。

細く強靭なレイピアが光る。

「危ないですよ・・・マリアを斬ればあなたも死刑だ・・・・・・」

その言葉を聞き、ジンは我に返った。

しかし、ジンの意思はかえって確固たるものになった。

「そいつを殺すというなら、お前たちも俺が殺す・・・人を殺すことは許さない・・・」

「はァッ・・・はァッ・・・なんだ・・?コイツ・・・意味わかんねぇ・・なぁ・・・・」

ブレオはなぜジンが自分を庇うのか理解できなかった。

「・・・矛盾していますよ?自分が人を殺すのは許されることなのですか・・・?」

ジンの太刀と男のレイピアが擦れ、火花が散る。

「ジ、ジン!止めろ!!!」

ジンたちの後ろで叫んだのはゼロだった。

そのままゼロは走り寄り、ジンの肩を抑える。

さすがはハンマー使い、ジンとは比べ物にならないほどの筋力だった。

ジンはあっさりと取り押さえられ、太刀を土の上にぽとりと落とす。

「ふぅ、助かりました。この方はなかなかお強い様なので」

助かります、とため息をつき、男はレイピアを鞘に収める。

「ジン、なんでナイトに手を出したんだよ!お前が追われる身に・・・」

「ジンさんと仰られるのですか。いえいえ、私たちはあなたを咎めるつもりは無いです。

 ブレオのことは知らないようですし。」

自分たちはブレオという男を知っている、とでも言うような言い方だ。

「あの男、ブレオは私たちがハンターをしていた頃、行動を共にしていた者でして―――]


「何!?なら何故だ!何故そいつを殺す!」

ジンは声を荒げて問う。

「最後まで話しを聞きましょうよ。狩猟中に大怪我を負った仲間を放っておいて逃げたんですよ。

 無責任にも。」

男は先ほどのブレオよりずっと冷たい、氷のような色のない目をしている。

「待ってく・・れ。あれは・・・事故だった・・・・・・」

ブレオが剣をつき付けられながら弱々しい声で言う。

「そんなこと解っていますよ。しかも、あなたはギルドを追放され、追われるようになって、

 開き直って、その後人を殺しました。しかしそれも騙されていたことだということも全て。」

男は続ける。ゼロやジンには何がなんだか解らない。

「だから私たちはギルドナイトになったのよ。

あなたが誰か、他のナイトに暗殺される前に、あなたを“殺す”ために。」

マリアは無表情のまま淡々と言った。

「マリア、殺りなさい。」

「分かったわ。」

女ナイト・マリアがレイピアを抜く。

その無垢に輝く刀身は、死を連想させるには十分だった。

「たとえ犯罪者でも、あなたは我が友でした・・・」

マリアの剣が振られる。

「やめろぉ!!」

ジンが止めに入ろうと思うが、ゼロの力は思いのほか強い。

ブレオの頬に線が入ったと思うと、そこから血が噴出す。

「ぐあぁ・・・っ!!!」

ブレオは痺れる体で必死に頬を押さえる。ブレオは死を覚悟していた。

しかし、マリアは剣についた血を布で拭うなり、剣を鞘にしまった。

ブレオは恐る恐る目を開けた。


「私たちがナイトになったのは、先ほど言った通り

 あなたを他のナイトに殺される前に“殺す”ためだと言ったでしょう?ブレオ。」

男ナイトが意味深な笑みを浮かべる。

痺れがだんだんと弱まり、ブレオはゆっくりと立ち上がる。

「あんたの血が付いたこの布を持ち帰れば、あなたは死んだことになる。」

「あなたはたった今、私たちの手によって死にました、ブレオ・ヴァンヴォルフ。」

「・・・?」

ブレオにもいまいち理解できていないようだ。


「あなたは今日からブレオではない。たった今死んだのですよ。

 あなたは今日から別の名を名乗り、ハンターを辞め、他の都市に行きなさい。」

「お前ら・・・ティーグ、マリア・・・」

ブレオはやっと解ったのか、男ナイト・ティーグの顔を見る。

ティーグの顔は、そしてマリアの顔も、どこか悲しげだった。

「早く行きなさい、ブレオ!ここで私たちとあなたは今生の別れだ!!」

「私たちはずっと友達よ、ブレオ。あなたが改心して、ずっと生きていくことを祈ってるわ!」

ブレオの目からは知らぬ間に涙がこぼれていた。

「すまねぇ・・・すまねぇなぁ・・・」

「次に罪を犯したら、今度は本当に殺します。行きなさい!ブレオ!!」

その言葉に静かに頷き、ブレオは茂みの中へ消えていった。



「すみません。勘違いさせてしまったようで・・・」

「いや、こっちこそすまなかった。」

ジンは深々と頭を下げる。

「ブレオ・・・」

女ナイト・マリアは春空を見上げた。

雲がゆっくりと流され、そよ風に草が揺らぐ。

「ブレオ、いや、今の名前は分かりませんが・・・あいつはずっと私たちの友達です。」

マリアの頬に、そしてティーグの頬にも涙がつたう。



ミュトシア歴634年


南方のある都市に、1人の鍛冶屋を営む、頬に刀傷のある男がいた。

男の名は、ブレッド・ヴァンダード。

そして北方のある都市では、2人のロード・オブ・ナイトが今日も暗躍していた。

2人の名は、ティーグ・G・ロード、そしてマリア・S・ロード。



Chapter5-1『ある朝』に続く
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